不動産を兄弟・姉妹で共有すると起こりやすいこと

~「今は仲が良いから大丈夫」が、将来も続くように~

親御さんが亡くなられた後、実家や土地などの不動産を相続する際、「兄弟・姉妹で平等に相続したい」という思いから、不動産を共有名義にされるご家庭は少なくありません。

「誰か一人だけが取得すると不公平になってしまう。」
「みんなで持っていれば安心。」

そんなご家族への思いやりから決められることも多く、共有名義そのものが悪いというわけではありません。

ただ、不動産は預貯金とは違い、簡単に分けることができない財産です。そのため、年月が経つにつれて思いもよらない問題が生じることがあります。

共有名義で起こりやすいこと

相続直後は、兄弟・姉妹で連絡も取り合い、お互いの考えもよく分かっています。

ところが10年、20年と時間が経つと、それぞれの生活環境は少しずつ変わっていきます。

結婚や転居、仕事や子育てなどで住む場所が離れ、以前ほど連絡を取らなくなることもあるでしょう。

そのような中で、不動産について次のような悩みが出てくることがあります。

  • 固定資産税は誰が負担するのか。
  • 空き家の管理は誰が行うのか。
  • 建物の修繕費をどう分担するのか。
  • 売却したい人と残したい人で意見が分かれてしまう。

共有名義の不動産は、一人だけの判断で売却したり、大きな活用を進めたりすることができません。

共有者全員の意思確認が必要になる場面が多く、「一人でも反対すると話が進まない」というケースも珍しくありません。

一番困るのは「話し合いができなくなること」

実は、不動産の共有で本当に大きな問題になるのは、不動産そのものではなく、「話し合いができなくなること」です。

例えば、共有者のどなたかが認知症などで意思表示が難しくなった場合、ご本人だけでは契約や重要な手続きができなくなることがあります。

また、ご病気や高齢化によって判断能力が低下すると、売却や活用の話し合いが思うように進まないこともあります。

さらに、共有者が亡くなり、その持分をお子さんが相続すると、共有者は兄弟・姉妹から、いとこ同士へと広がっていきます。

人数が増えれば増えるほど、全員の意見をまとめることは難しくなります。

「連絡先が分からない。」
「会ったこともない親族が共有者になっている。」

そんな状況になって初めて、「もっと早く考えておけばよかった」と感じる方も少なくありません。

「今話せること」が、将来の安心につながります

とはいえ、こうした問題は家族の仲が悪いから起こるわけではありません。

むしろ、相続直後は兄弟・姉妹の仲が良く、お互いを信頼しているご家庭ほど、「まだ大丈夫」と感じやすいものです。

だからこそ、元気に話し合える今が、将来について考える一番良いタイミングでもあります。

例えば、

  • この不動産を将来どうしたいのか。
  • 管理は誰が担うのか。
  • 売却するとしたら、どのようなタイミングがよいのか。
  • もし判断が難しくなった場合には、どのような備えをしておくのか。

すべてを決める必要はありません。

家族で一度話し合い、お互いの考えを知っておくだけでも、将来の負担は大きく変わります。

家族が仲良くいられるための相続対策を

相続対策というと、「節税」を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、本当に大切なのは、相続後もご家族が安心して暮らし、良い関係を続けられることではないでしょうか。

共有名義を避ける方法や、状況に応じた財産の分け方、将来の意思決定に備えるための制度など、ご家庭によって選択肢はさまざまです。

私たちは税金だけでなく、ご家族それぞれのお気持ちや将来の暮らしも大切にしながら、一緒に最適な方法を考えるお手伝いをしています。

「まだ困っているわけではないけれど、一度話を聞いてみたい。」
「兄弟・姉妹で元気に話せる今のうちに準備をしておきたい。」

たくえす税理士法人では、そんな段階でのご相談も歓迎しております。

家族の笑顔と良い関係を未来へつないでいくために。

話し合いができる"今"だからこそ、相続と不動産について一度考えてみませんか。

お気軽にたくえす税理士法人にご相談ください。